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延期提案の最大の理由は、実証運行費用が当初予算から大幅な増額を余儀なくされている現状を重く受け止めるべきと考えたためです。報道によると、10月開始予定のオンデマンド交通「のらざあ」の実証運行費用が、当初予算の1,500万円から1,173万円余り増え、総額2,673万円(1.78倍)に達したとのことです。町は、事前に業者から見積もりを取らず、条件の異なる近隣自治体への聞き取りのみで算出したと説明しています。
予算成立からわずか数か月での大幅な乖離や、事前見積もりを怠った予算編成は「ずさん過ぎる」と言わざるを得ず、非常に問題です。これらを踏まえ、現時点での想定値について7点お聞きします。
(1)「のらざあ」導入費用(アプリ、車両、バス停等)は、いくらと想定されていますか。
(2)「のらざあ」が実際に本格導入された場合の、年間の事業費はいくらと想定されていますか。
(3)前項(2)の事業費の内、運賃収入はどれくらいと想定されていますか。その場合、65歳以上(定額300円)の乗車率は何割で試算されていますか。
(4) 前項(3)の結果、町の財政負担額は年間いくらと想定されていますか。
(5) 前々項(3)の65歳以上乗車率ですが、95%、85%、75%といくつかのケースを想定
した運賃収入の試算はされていますか。試算されていればご教示ください。
(6)現在のすずらん号の高齢者乗車率は95%ですが、(3)でお答えいただいた乗車率で試算した根拠を教えてください。
(7) 茅野市「のらざあ」では現在値上げ(100円程度)が検討されていますが、導入時の乗車料金は、参考にされている原村現状の高齢者定額300円、高校生以上3km未満300円、3~5km500円、5~10km700円は維持される予定でしょうか。
「のらざあ」は好きな時間に利用できる利点がある反面、利用者が増えるほど費用も比例して増加する欠点があります。最大の懸念は、想定以上の財政負担が町を圧迫し、町長の掲げる「選択と投資」に支障をきたすことです。
また、現時点で多くの町民は必要な費用を把握しておらず、将来的に実際の負担額を知った際に町民から異なる意見が噴出する可能性も考慮すべきです。現在の試算値も、インフレや人件費高騰など不透明な社会情勢の影響を受けるリスクがあります。
実証運行の開始に伴い現行の「すずらん号」が廃止されれば、後戻りはできません。だからこそ、今は一度立ち止まり、数値の再検証を行うべきではないでしょうか。
「のらざあ」の実証運行を延期する場合、一つの提案があります。延期中は現行の「すずらん号」を継続することになりますが、町長も指摘していた「次の便までの待ち時間」というデメリットを解消するため、スクールバスを活用した「街中循環の無料バス」の導入を提案します。
これにより、家と目的地を「点と点」ではなく「点と面」で結び、買い物や図書館などへの回遊を促すことができます。併せて、各施設に高齢者が休憩や談笑できるスペースを設けることも有効です。
原村の「のらざあ」乗降データを見ると、富士見駅や周辺施設など中心街への来訪が上位を占めています。循環バスや休憩スペースの整備は、原村民の回遊性を高め商業的メリットを生むほか、近隣駅(小淵沢・青柳)周辺住民の来訪促進も期待できます。
はじめに、AIオンデマンド交通実証運行事業の費用が、当初予算から大幅に増額となった件につきまして、町民の皆さまに多大なご心配とご迷惑をおかけしましたことを、深くお詫び申し上げます。
ご指摘のとおり、当初予算の積算にあたっては、使用台数や運行対象エリアの広さなど条件の異なる近隣自治体への聞き取りを基に金額を算出しており、事業者からの見積取得など、より精度の高い積算を事前に行うべきであったと認識しております。予算成立から短期間での大幅な乖離が生じたことは、予算編成のあり方として課題があったと真摯に受け止めております。
今後は、新規事業の予算計上にあたり、事業者からの事前見積取得、複数事業者からの参考価格の聴取、富士見町の条件に即した積算根拠の精査といった基本的事項を再度徹底し、より精度の高い予算編成に努めてまいります。
このたびはご指摘をいただき誠にありがとうございます。今後の町政運営の改善に活かしてまいります。
以下、担当する部署よりご質問への回答となります。
・ 実証運行開始延期について
このたび、 実証運行の開始延期をご提案いただきましたこと、貴重なご意見として真摯に受け止めております。
しかしながら、実証運行の開始時期につきましては、すでに各事業者との調整を行っていることや国庫交付金の申請等の理由により予定どおりの開始とさせていただきたく、ご理解をお願い申し上げます。
延期は困難ではございますが、いただいたご懸念やご指摘は、実証運行の運営および本格導入に向けた検討の中で、最大限活かしてまいります。あわせて、延期に関連していただきました複数のご提案・アイデアにつきましても実証運行期間中の運営改善や、本格導入に向けた制度設計の参考とさせていただきたく存じます。
以下、詳細項目に関する回答となります。
(1) 導入費用(アプリ・車両・バス停等)の想定額
導入費用及び今年度の実証運行にかかる費用は6月議会に上程したとおり、2,673万円を想定しております。内訳としてシステム導入費、車両リース費、人件費、プロモーション費、燃料費等の費用を見込んでおります。
(2) 本格導入後の年間事業費の想定額
運行時間や運行台数によって変動いたしますが、およそ3,700万円~5,000万円を想定しております。
(3) 運賃収入の想定額および65歳以上の乗車率
現在のすずらん号と同等の利用人数(年間約15,000回)と想定すると、運賃収入は年間450万円~500万円 程度になると想定しています。65歳以上の乗車率は85%で試算しています。
なお、高齢者の運賃割引につきましては、現時点で「定額300円」と確定しているわけではなく、距離に応じた料金設定なども検討しております。
(4) 町の財政負担額(年間)の想定
(2)の事業費から(3)の運賃収入を差し引き、加えて国からの特別交付税措置を見込んでおります。これらを踏まえ、町としての実質的な負担は 年間700万円~1,000万円程度を見込んでおります。
(5) 乗車率を変えた場合の試算(95%/85%/75%等)
高齢者乗車率を変更した場合ですが、利用距離がどの程度あるかによって金額に幅はありますが、およそ400万円~600万円程度の運賃収入を想定しています。
(6) 乗車率を85%とした根拠
現行のすずらん号における高齢者乗車率が95%である一方、AIオンデマンド交通を先行導入した他自治体の実績では、若年層(50代以下)の利用が約4割を占める結果も見られます。
「のらざあ」はスマートフォンアプリでの予約や柔軟なルート設定が可能となるため、通勤・通学・買い物など、これまで自家用車を利用していた現役世代の取り込みが期待されます。
ただし、富士見町におきましては、現行制度からの移行期間を考慮し、当面は高齢者利用が比較的多い状態が続くと見込み、85%で試算しております。
(7) 導入時の運賃設定について
運賃につきましては、基本的に近隣自治体の動向に合わせて設定する方針です。ご指摘の茅野市、原村の「のらざあ」における値上げの検討につきましても、報道等を通じて承知しており、引き続き近隣自治体の動向を注視しながら適切な料金設定を検討してまいります。
したがいまして、現行の茅野市、原村の料金体系を、そのまま維持するか否かについては、現時点で確定しているものではございません。
「のらざあ」は、町民の皆さまの日常の移動を支える重要な公共交通として、利便性と持続可能性の両立を図りながら導入を進めてまいります。今後とも、町政へのご理解とご協力を賜りますようお願い申し上げます。
(お問い合わせ)
総務課 企画統計係 TEL62-9332